ここでは、人生のラストステージにおいて、頼れる親族がいないおひとりさまの助けになってくれる制度について、法律&実務面から詳しく解説します。
ご家族の方がいらっしゃらない、あるいは、いても疎遠であるという方にとっては、ご自身の老後のことや亡くなった後についてのご不安はとても大きなものです。
中には、「自分が亡くなった後のことなど知らない、誰かが何とかしてくれるだろう」という方もまれにいらっしゃいますが、多くの方々は、
「一体誰が自分の最期を看取ってくれるのだろう…?」
「今住んでいる家は誰が片付けてくれるのか?」
といったようなことを不安に感じているのではないかと思います。
ご自身の人生は、亡くなった時点で「終わり」かもしれませんが、悲しいかな、現在の日本においては、亡くなったからといって、何もかもがはい終わり、というわけにはいかないのが現実です。
例えば・・・
病院で亡くなった場合、最後の入院代(場合によっては手術代)などは誰が支払うのでしょう?
火葬の手配、遺骨の引き取り先はどうしますか?
住んでいたお家の片づけは誰がやりますか?
役所への届け出は?
光熱費の契約や、携帯電話はどうしましょう?
残った預金の行き先は?
これらは、ご自身が亡くなった後に行わなければならない手続きの「ほんの一部」です。
身近にご家族やご親族がいらっしゃる場合は、これらの手続きの多くはご家族が行ってくれるでしょう。
しかし、身寄りがいない方の場合は、きちんと準備をしておかなければ、誰もその作業をやってはくれません。
というよりも、他人が勝手にはできないのです。
そうなると、周囲の方々は本当に困ります。
入院代を支払ってもらえない病院も困ります。
遺骨の引き取り手がいないと火葬場も困ります。
住んでいたお家がそのままであれば家主さんも困ります。
適切な届け出がなされないと役所も困ります。
光熱費や電話料金の引き落としができなくなったらそれぞれの会社も困ります。
(亡くなった後は銀行口座がストップされるので、引き落としはできなくなります)
残った預金がそのままほったらかしにされて、銀行も困ります。
このように、亡くなってからも、多くの方々に「迷惑をかける」ことになりかねません。
そうならないためには、お元気なうちに、将来に備えた準備をきちんとしておくことが必要です。
すなわち、おひとりさまの「終活」であり、「老活」です。
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