【事例②】配偶者と死別された方からのご相談

<ご本人の状況>

・78歳男性(Bさん)

・2年前に妻に先立たれ、現在持ち家で一人暮らし。

・子どもはおらず、きょうだいがいるが、関係は疎遠。

・要介護は1で、まだ身の回りのことはおおむね自分でできる。

・長年経理の仕事をしてきたこともあって、自身の財産状況をきちんとノートにまとめている。

 

<ご本人のご希望・不安・要望など>

①自身の死後、自宅・預貯金がどうなるのか?きょうだいに残す気はない。

②自身が墓守をしている菩提寺の墓をどうすればいいか?

③自身の死後の葬儀等の手続きは誰がやってくれるのか?

④できる限り、自分のことは自分でやりたい。

 

 

《当法人での提案内容・サポートなど》

①について → 遺言公正証書の作成・遺言執行者に指定

Bさんには子どもがいないため、将来亡くなった場合は、Bさんのごきょうだいが法律上の相続人になります。

しかし、Bさんはごきょうだいの方と疎遠であり、あまり財産を残したいと思っていませんでした。

そこで、遺言書を作成し、Bさんの死後は、ご自宅についてはBさんの希望する方に譲り渡し、残りの預貯金は慈善団体に寄付をすることになりました。

当方が遺言執行者となることで、責任をもって遺言書の内容に従って財産の移転手続きをさせて頂く予定です。

 

②について → 墓じまいのご提案

Bさんには子どもがいないため、ゆくゆく継ぐ人のいないお墓をどうすればいいのか悩まれていました。

近年は墓じまいも増えてきていることから、そういった手続きをご案内しました。

一緒に菩提寺にご相談に伺い、お元気なうちにきちんと墓じまいを行うことで、お気持ちの部分でも一区切りつけられたご様子でした。

 

③について → 死後事務委任契約の締結

当法人と死後事務委任契約を結び、亡くなった後のご葬儀、火葬、納骨、役所への届出、光熱費や携帯電話などの各種契約の解約、家財道具の処分や家の明け渡しなどについて、当方で責任をもって行えるようにしました。

ご葬儀の内容などは、Bさんの帰依する宗教儀礼にのっとる形で行い、火葬後のお骨の納骨先や法要等についても、事前にBさんのご希望をお伺いした上で、できる限り詳しく取り決めをさせて頂きました。

 

③について → 見守り契約の締結

Bさんは、できる限り身の回りのご自身のことは自分でやりたいとの意向でしたので、当面必要以上の介入は避け、月に1回程度のご自宅訪問により、生活や体調に変化がないかを継続して見守ることとしました。

その中で、必要に応じて介護サービスなどもご提案させて頂くこととなりそうです。